- アスファルトシングルとは
- アスファルトシングルの雨漏り原因
- 施工品質が寿命を決める材料
- 修理と塗装
- 点検のポイント
アスファルトシングルとは
ガラス繊維の基材にアスファルトを浸透させ、表面に石粒(彩色砂)を吹き付けたシート状の屋根材。1枚1枚を釘と接着剤で貼り重ねます。1㎡あたり約10kgと軽く、曲面にも施工でき、割れません。
日本では「オークリッジ(オーウェンスコーニング)」「リッジウェイ(田島ルーフィング)」などが知られています。耐用年数は20〜30年。
北米では住宅屋根の8割を占める材料ですが、日本の台風・多雨環境では、剥がれと苔の問題が起きやすい面があります。
アスファルトシングルの雨漏り原因
①強風による剥がれ・めくれ(最多):接着層が熱で密着する設計ですが、施工直後や気温の低い時期に強風が来ると、接着が不十分なまま風でめくれます。台風後に「屋根の一部が剥がれて庭に落ちている」相談が多い材料です。
②釘の浮き・釘穴からの浸水:釘の位置が規定より上(露出)だったり、打ち込みが浅いと、釘まわりから浸水。
③石粒の脱落と基材の露出:紫外線で表面の石粒が落ち、アスファルト基材が露出して硬化・ひび割れ。雨樋に石粒が溜まるのが劣化のサインです。
④苔・藻の繁殖:表面がざらざらしているため水分を保持しやすく、日陰面で苔が繁殖。苔の根が基材を傷めます。
⑤下葺き材の劣化:シングルは薄いため、下葺き材が実質的な防水層。20〜30年で寿命。
| 原因 | 起きる時期 | 修理方法 | 費用目安 |
|---|---|---|---|
| 強風でめくれ | 台風・施工後1〜2年 | 部分張り替え・再接着 | 3〜10万円 |
| 釘の浮き・釘穴 | 10年〜 | 釘打ち直し・シーリング | 2〜5万円 |
| 石粒脱落・ひび | 15年〜 | 塗装(専用)またはカバー | 塗装 ㎡3,500〜5,000円 |
| 苔の繁殖 | 日陰面で5年〜 | 洗浄・防藻処理 | 3〜8万円 |
| 下葺き材の寿命 | 20〜30年 | カバー工法・葺き替え | 80〜160万円 |
施工品質が寿命を決める材料
アスファルトシングルは「材料の寿命」より「施工の質」で持ちが決まります。釘の本数と位置(1枚4〜6本、メーカー指定位置)、接着剤の塗布(寒冷期は必須)、軒先・ケラバのスターター材、棟の重ね方。
メーカー施工マニュアルに沿っていない施工は、5年以内に剥がれが始まることがあります。新築・リフォームで採用する場合は、そのメーカーの施工認定を受けた業者かを確認してください。
日本の台風常襲地(沖縄・九州南部・四国太平洋側)では、接着剤の全面塗布と釘本数の増加が推奨されます。
修理と塗装
部分張り替え:めくれた箇所のシングルを剥がし、新しいシングルを差し込んで釘と接着剤で固定。同じ製品・色の入手が課題で、廃番の場合は近似色になります。
塗装:シングル専用の塗料(弾性・水性)が必要。油性塗料はアスファルトを溶かします。石粒が落ちた面への塗装は密着に注意。
カバー工法:シングルは軽く平滑なため、上からガルバリウム鋼板を重ねるカバー工法に向いています。撤去費がかからず、80〜150万円。
シングル→シングルの重ね葺き:北米では一般的ですが、日本では下葺き材の状態が確認できないため推奨されません。
点検のポイント
雨樋・地面に石粒(砂のようなもの)が溜まっていないか。屋根の一部が色違いになっていないか(めくれて下地が見えている)。軒先が波打っていないか。日陰面の緑色(苔)の範囲。
台風の翌日は必ず地上から全面を確認。めくれは早期なら再接着で済みますが、放置すると下葺き材が紫外線で劣化し、次の雨で室内に届きます。
アスファルトシングルは割れない・軽い優れた材料ですが、日本の気候では「強風のめくれ」と「苔」が弱点です。寿命は施工品質で決まるため、メーカー認定業者による施工と、台風後の目視点検が重要。下葺き材が寿命を迎えたら、ガルバでのカバー工法が合理的です。
よくある質問
Q剥がれた1枚だけ交換できますか?+
できます。ただし同製品の在庫がない場合は近似品になり、色差が出ます。
Qアスファルトシングルに苔が生えたら塗装すべきですか?+
まず洗浄と防藻処理。塗装は石粒の脱落が進んだ段階で検討します。苔だけで塗装は不要です。